問題01-10(上級)
問題図(平手)は後手が△4六歩と打ち、次の△4七歩成をねらった局面です。
さあ、ここで
- 5四歩
- 4四桂打
- 5九桂打
- 答え
- 正解:③5九桂打
<この局面の見方(みかた)>
角と金銀3枚交換(こうかん)の駒損(こまぞん)で、次(つぎ)に△4七歩成をねらわれているこの局面は先手がすでに敗勢(はいせい)です。しかし、あきらめるのはまだ早い!!
逆転(ぎゃくてん)の可能性(かのうせい)は少なくても、望(のぞ)みはある局面です。というわけで、この局面での指しては「いけない手」は逆転(ぎゃくてん)の可能性(かのうせい)がなくなる手です。
<解説(かいせつ)>
指してはいけない手は▲5九桂(下図)です。以下、△4七歩成、▲同桂、△4六歩(下図)
と進(すす)んだ局面は5九桂と打(う)つ前(まえ)と同(おな)じように後手には△4七歩成のねらいがあります。
しかも、先手は大切(たいせつ)な桂馬を手放(てばな)してしまい、取(と)られるのを防(ふせ)げません。というわけで、上図の局面は問題図よりもさらに形勢(けいせい)がわるくなり、しかも、桂馬を使(つか)ってしまっているので、▲5五角~▲7四桂」のコンビで頓死(とんし)をねらうことも出来(でき)なくなっています。
つまり、▲5九桂という手は逆転(ぎゃくてん)の可能性(かのうせい)をなくす手です。
①5四歩(下図)の解説
▲5四歩ははたらきの悪(わる)い7七角の角すじを通(とお)し、次(つぎ)に1一角成と馬を作ってのねばりや、5五角(馬)から7四桂と打つ、必殺(ひっさつ)の頓死(とんし)をねらい、逆転(ぎゃくてん)の可能性(かのうせい)をつなげています。
②4四桂(下図)の解説
▲4四桂は竜と金の両取(りょうとり)をかけた手です。
これに対して竜を縦(たて)に逃(に)げ、▲5二桂成、△同金となると後手としても美濃囲いがくずれ、嫌(いや)な局面になります。ですので、▲4四桂には、△4三竜、▲5二桂成、△同竜とすすむと思(おも)いますが、そこで、先手は▲3九竜として後手陣(ごてじん)への竜の侵入(しんにゅう)をねらう手もあり、少しは逆転(ぎゃくてん)の可能性(かのうせい)があります。
<まとめ>
というわけで3つの選択肢(せんたくし)のなかで、もっとも逆転(ぎゃくてん)の可能性(かのうせい)をなくしてしまう、▲5九桂と打(う)つ手が指しては「いけない手」です。